Integrated Report 2022
Hakuhodo DY Holdings
Integrated Report 2022

ジェンダーの平等な社会実現に向けてできることを —
サワイジェンダーアクション

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    大広 サワイジェンダーアクションメンバー

    (後方左から)澁谷、奥村、中牟田、田中

    (前方左から)伏江、上野、松田

    企業の存在意義が問われている時代。企業活動を通して社会に貢献するのはもちろん、企業が社会課題について発信したり、解決に向けてアクションを起こしたりするというコミュニケーションも増えてきました。
    「サワイジェンダーアクション」は、そんな新しいコミュニケーションを沢井製薬(株)とともに模索して実現できたお仕事です。沢井製薬(株)は「なによりも患者さんのために」という理念のもと、サステナビリティの取り組みにも力を入れており、社会の公器としての意識を強く持たれている会社です。そんな一面を知ってもらうことで、企業の存在価値をさらに高め、多くのステークホルダーからの賛同を得ることができるのではないかと考えました。
    そこで着目したのが、企業の原点。実は沢井製薬(株)は「澤井乃よ」という女性が営む小さな薬局から始まった会社でした。約100年前、農家の娘は進学せず、結婚して家庭に入るのが当たり前の時代。乃よさんは上京しひたすら勉学に励み、当時はまだ珍しかった女性薬剤師になり「澤井薬局」を開業しました。「病気で困っている人が必要としている薬を、必要としている時に提供する」という乃よさんの信条は、沢井製薬(株)が掲げる「なによりも患者さんのために」という理念の原点だったのです。
    チームで社史を読み込み、このエピソードは昔話ではなく、今にも通じる話だと感じました。乃よさんが性別という枠にとらわれず、自分の道をひた走ることができたからこそ、沢井製薬(株)は生まれた。一人ひとりが自分らしく輝くことができれば、新しいものがもっともっと生まれるはず。そのメッセージとともに、アクションを起こすことにしました。
    そして、2022年3月8日、国際女性デーに「サワイジェンダーアクション」をローンチ。日経新聞の15段広告で、乃よさんのエピソードとジェンダー平等に向けたメッセージを語りました。さらに、今回は既存の広告だけでなく「アクション」として社会貢献にもつながるコミュニケーションをとることにこだわりました。チームで検討を重ね、新しい試みとして「ドネーションアド」を実施。ドネーションアドとは、生活者の動画広告視聴回数に応じて、広告主企業が特定の団体へ寄付をすることができる、生活者と広告主企業、寄付先団体をつなぐ動画広告ソリューションです。生活者は、サワイジェンダーアクションの広告を視聴するだけで、ジェンダー平等に向け活動しているNPOなどを選択して寄付することができます。ジェンダー平等へのメッセージに共感してもらい、そのままSDGsアクションに負担なく参加できる仕組みです。

ドネーションアドはアジア初の実施ということもあり、調整が大変な部分もありましたが、博報堂DYメディアパートナーズの皆さんと大広チームで連携し、総額557万円の寄付をすることができました。コミュニケーションだけでなく、企業としての社会貢献アクションにまでつながる、新しい取り組みとなりました。
また、同時に立ち上げた「サワイジェンダーアクション」サイトでは、乃よさんについて書かれた社史が読めるようにし、企業ストーリーへの共感をさらに深めてもらう設計に。期間限定のキャンペーンサイトではなく、沢井製薬(株)のアクション内容を発信していく場所として機能させています。
ローンチ後、沢井製薬(株)の担当者さんからも「社内外から取り組みに対する好意的な意見が届いている」「女性がさらに働きやすい会社をつくる社内プロジェクトが立ち上がった」といった話を聞き、アクションの広がりを感じています。今後も取り組みの進捗を報告するなど、継続的なコミュニケーションを実施していく予定です。
企業は、メッセージを発信するだけでなくアクションを重ねることで、顧客にとっての価値を生み出すことができます。アクションの宣言と実行、そしてコミュニケーションによって社内外にそのアクションの輪を広げ、さらに次のアクションを発信するという循環を意識し、パートナーとして企業と向き合うことが大切だと改めて感じています。企業と顧客と社会を見つめ、三方の幸せを目指して、これからもチームでいい仕事をつくり続けたいです。

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    奥村 普段の業務では、広告におけるデジタルの役割を「数値」や「効率性」という視点で捉えがちですが、今回実施した「ドネーションアド」はそのような枠を超え、広告×デジタルの視点や可能性を広げてくれたような気がします。企業と社会の新しいコミュニケーションの形を生み出すことができたことを嬉しく思いますし、一緒に新しいチャレンジに取り組んでいただいた得意先にも感謝したいです。

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    中牟田 事業を通じた社会貢献はもちろんのこと、企業と顧客と社会を見つめることで、その企業ならではのストーリーを起点にした社会貢献もできるんだ!と思った仕事でした。アウトプットが決まっていないところから、チームみんなでつくりあげる楽しさも実感でき、広告会社のクリエイティビティをさらにいろんな領域で活かしたいと思いました。

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    上野 100年近くも受け継がれた一人の女性の信念が、今では製薬という社会にとって欠かせない大きな役割の1つになっている。3月8日にこの事実に立ち返ることが、現代に生きる女性にとって、今はもっと道が開かれているじゃないか!と前向きに気づくきっかけになり、勇気が湧く。そんなメッセージになればいいなと思い制作していきました。

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    田中 得意先とのデジタル勉強会での紹介がドネーションアド起用の始まりでしたが、「これは得意先に理解してもらえる!」と鋭い嗅覚で推してくれた営業に感謝します。広告は新しい情報を得るきっかけになる、それって楽しい!と考えこの業界に入りましたが、その先を行く社会課題解決アクションにまでつながる仕事に携わることができ、初心に立ち返るとともに感慨深い仕事となりました。