Integrated Report 2022
Hakuhodo DY Holdings
Integrated Report 2022

コーポレートガバナンス

コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方

当社グループは、持続的な成長と企業価値の継続的な向上の実現のため、様々なステークホルダーからの信頼と期待に応え、クリエイティビティの力をもとに、マーケティングの進化とイノベーションの創出をリードする世界一級の企業集団として、生活者の豊かな未来を創造し、経済を伸長させ、社会を発展させることへの貢献を目指しています。そのため、当社は、持株会社として傘下の多彩な事業会社の「自立と連携」が促進される環境を整え、各社の連携が単なる総和以上の価値を発揮できるように、グループ全体の経営管理を強化することを経営の重点課題の1つであると認識し、その改善に努め、当社グループにおけるコーポレートガバナンスの強化・充実に積極的に取り組んでいきます。

コーポレートガバナンス強化の歩み

コーポレートガバナンス強化の歩み

* 博報堂、大広、読売広告社、博報堂DYメディアパートナーズの4社。現在は対象会社を拡大し「グループ常勤監査役連絡会」として運営

博報堂DYグループのコーポレートガバナンス体制

2022年6月29日現在

博報堂DYグループのコーポレートガバナンス体制

取締役会

取締役会は社外取締役4名を含む10名で構成され、定期的(原則月1回)または必要に応じて臨時の取締役会を開催することにより、経営上の重要事項の意思決定を行うとともに、当社および中核事業会社の業務執行に関する報告を受け、取締役および執行役員の職務執行の状況の監督を行っています。

取締役の選任に関する方針

当社は社員一人ひとりの「クリエイティビティ」と、それをぶつけ合い、尊重し、高め合うチームの「統合力」によって、生活者にとっての「新しい価値」をクリエイトすることで、世の中に良い変化をもたらし、「生活者一人ひとりが、自分らしく、いきいきと生きていける社会の実現」を目指しています。そのため、当社グループは世界に類を見ないほど、多様なクリエイティビティを有する人財を擁しています。取締役会も同様に、全体としての知識・経験・能力等のバランスを考慮しながら、当社グループに精通した社内取締役と豊富な経験と幅広い見識を有する社外取締役を複数名選任し、個性豊かでクリエイティビティに富んだチームとして取締役会を構成することで、当社グループの企業価値向上のための取締役会の実効性を確保しています。

取締役会の構成

取締役および監査役のスキル・マトリックス

取締役および監査役の専門知識や経験等のバックグラウンドは、以下の◯印の通りです。

経営 ファイナンス HR コーポレートガバナンス CSR デジタル グローバル 企業文化の発展・継承
氏名 役職名 ・事業会社経営経験 ・財務
・会計
・人事・人財開発
・ダイバーシティ&
インクルージョン
・法務
・コンプライアンス
・サステナビリティ
・SDGs
・テクノロジー
・データ/システム
・国際ビジネス ・「生活者発想*1
・「パートナー主義*2
・「人が資産*3
取締役 戸田 裕一 取締役会長
水島 正幸 代表取締役社長
矢嶋 弘毅 取締役副社長
西岡 正紀 代表取締役専務執行役員
江花 昭彦 取締役専務執行役員
安藤 元博 取締役常務執行役員
松田 昇 社外取締役
服部 暢達 社外取締役
山下 徹 社外取締役
有松 育子 社外取締役
監査役 西村 治 常勤監査役
今泉 智幸 常勤監査役
山口 勝之 社外監査役
友田 和彦 社外監査役
菊地 伸 社外監査役

(注) 本表は各取締役・監査役が有するすべてのスキルを表すものではありません。

  • *1 博報堂DYグループの発想の原点。人々を単に「消費者」として捉えるのではなく、多様化した社会の中で主体性を持って生きる「生活者」として捉え、深く洞察することから新しい価値を創造していこうという考え方。生活者を誰よりも深く知っているからこそ、広告主と生活者、さらにはメディアとの架け橋をつくれるのだと考えます。
  • *2 博報堂DYグループのビジネスの原点。常に生活者視点に立ち、広告主・媒体社のビジネスをともに見つめ、語り合い、行動することからソリューションを提供していこうという考え方。パートナーとして広告主・媒体社と長期的な関係を築き、継続性のある一貫したソリューションを提供していくことを常に目指しています。
  • *3 従業員を極めて大切なステークホルダーと考える「人が資産」というポリシー。アイデアの生産手段は、従業員の頭の中にあります。私たちは、「従業員満足」を大切にし、個の尊重、「人のクリエイティビティ」の開発、「チーム力」の向上に、特別に力を入れています。そして、それを「顧客満足」につなげていきます。

取締役会の出席状況 (2022年3月期)

役職名 氏名 出席状況(出席率)
取締役会長 戸田 裕一 20回/20回(100.0%)
代表取締役社長 水島 正幸 20回/20回(100.0%)
取締役副社長 矢嶋 弘毅 20回/20回(100.0%)
代表取締役専務執行役員 西岡 正紀 20回/20回(100.0%)
取締役専務執行役員 江花 昭彦 20回/20回(100.0%)
取締役常務執行役員 安藤 元博 2022年6月就任
社外取締役 松田 昇 20回/20回(100.0%)
社外取締役 服部 暢達 20回/20回(100.0%)
社外取締役 山下 徹 19回/20回(95.0%)
社外取締役 有松 育子 2022年6月就任

取締役会の実効性評価

当社取締役会は、2022年3月期における取締役会の実効性を分析・評価するため、外部機関を活用し、2022年2月に「取締役会評価に関する質問票」をすべての取締役および監査役に配付し、その回答を外部機関が客観的な立場から取りまとめ、その集計・分析結果に基づき、取締役会における分析・評価を行いました。

< 質問項目 >

  • 取締役会の役割・機能
  • 取締役会の構成・規模
  • 取締役会の運営
  • 監査機関との連携
  • 経営陣とのコミュニケーション
  • 株式・投資家との関係
  • 総括および自由記載項目

評価

取締役会の構成、運営、審議内容等は、概ね適切であり、持株会社の取締役会としてあるべき姿が共され、適切にモニタリングを実施するなど、必要かつ十分な議論が実施されていること、社外役員を含めた取締役会全体として多様なスキル・専門性、多彩なバックグラウンドを有しており、活発な議論を経て、適切な意思決定が担保される仕組みとされていることが強みとして確認されました。

2022年3月期調査における主な課題と改善策

今回の調査・分析の結果より、下表の通り主な課題を2点抽出し、各課題に対して改善策を予定しています。

主な課題 主な改善策
社外取締役・社外監査役の理解促進のための機会提供 社外役員が当社グループの事業や課題についてより深い理解を得ることを目的に、各事業会社への訪問や社内施策へのオブザーブ参加の機会提供について検討・実施する。
取締役会における議論の活性化や中長期課題に関する議論の充実化 議案および中長期課題に関する議論の時間の確保を目的
に、説明者等への要点を絞った説明をガイドし、関連部門に働きかけて中長期的な課題に関する審議や報告等の機会を充実させる。また、継続的に資料提供の早期化に努める。

そのほか、後継者計画に関する適切な議論のための指名委員会の活用、取締役会におけるさらなる多様性の確保等を、取締役会の実効性をさらに高めていくために中期的に取り組むべき課題として認識しています。なお、2021年3月期調査における継続的に取り組むべき課題として、取締役会構成における多様性の確保を挙げましたが、2022年6月の当社定時株主総会において、女性社外取締役が選任されています。

(ご参考)【2021年3月期調査における主な課題と実施した改善策】

2021年3月期調査では、下表の通り主な課題を3点抽出し、各課題に対してそれぞれ改善策を実施しました。その結果、今回(2022年3月期)調査において、概ね評価の向上が認められました。一方で、さらなる改善を求める意見もあったため、さらなる実効性の向上のために、今後も継続的な取り組みを行い、改善に努めていきます。

主な課題 主な改善点
今後のコンプライアンス面での内部統制のあり方に関する取締役会への報告 プロセスや具体的な施策について、適切なタイミングで取締役会において報告する
指名委員会および報酬委員会における審議内容の、取締役会へのフィードバックの継続 2021年3月期に引き続き、各委員会のプロセスや審議内容の共有を継続しながら、さらなる理解促進に努める
社外役員への情報提供の充実化 議案や審議事項に関する社外役員への事前説明の場や、社外役員の会合の場を活用し、情報提供を増やす

当社取締役会は、評価の結果を踏まえ、取締役会のさらなる実効性の向上のために継続的な取り組みを行っていきます。