Integrated Report 2022
Hakuhodo DY Holdings
Integrated Report 2022

新任社外取締役メッセージ

統合報告書2022 新任社外取締役メッセージページのメインビジュアル
新任社外取締役
有松 育子

企業価値向上のため、「社会の目」の代理として
博報堂 DYグループの方向性を注視します

職業人としての目標は「世の中の役に立つこと」

私は長年、公務員として、教育、生涯学習、芸術文化などの分野で仕事をしてきました。職業生活をスタートした時以来、目指しているのは「世の中の役に立ちたい」ということです。公務を通じて民間企業と一緒に芸術文化支援に取り組んでいたことがありましたが、当時はまだ、芸術文化に関心のある先駆的企業がCSRの一分野として取り組みを進めているような段階でした。しかし、現在は、企業がサステナビリティへの取り組みを強め、社会に貢献したり信頼されたりする存在になろうとする努力に重点を置き始めています。この時代に社外取締役を務めることは自分自身の目標にも合致していると感じます。

社外取締役として果たせる役割

取締役会はグループ全体の大きな方向性を決める大変重要な役割を担っています。社外取締役として、執行側の社内役員からは一歩離れた、より「社会の目」に近い立場から、グループ全体が向かおうとしている方向に注視して意見を述べていくことが、私の社外取締役としての役割であると捉えています。官の分野での経験が長い私には、利益追求が大原則である民間企業の論理や事情にはなじまない部分もあるとは思いますが、これをむしろ自分の特徴として他の取締役会メンバーに刺激を与える存在にもなりたいと考えています。また、公務を通じて男女共同参画推進に長らく携わってきたことから、ダイバーシティ推進やジェンダーギャップ解消についても、これまでの経験を活かして貢献していけるのではないかと考えています。当社グループは「生活者発想」というポリシーを掲げていますが、生活者の半分は女性であるにもかかわらず、取締役としては私が最初の女性であり、管理職における女性比率も決して高くはありません。性別に関係なく一人ひとりが能力を発揮して長くいきいきと勤められる仕組みをつくっていく必要があると感じています。そのことによって、当社グループが働く場としてもより魅力あるものとなり、社会に大きな価値を生み出していくことにつながると信じるからです。もちろんダイバーシティは男女比率だけのことではありませんが、多少なりとも男女共同参画推進に関わってきた人間として、また、一人の働く女性として、今までにない立場と視点から臆せず意見を発信していきたいと考えています。

当社のサステナビリティゴールへの期待

企業価値とは、利益を追求するだけでなく、社会課題の解決によって社会からの信頼を得ることで初めて高まっていくものだと思います。当社グループでは、「生活者一人ひとりが、自分らしく、いきいきと生きていける社会の実現」をサステナビリティゴールとし、そのための事業活動や各種取り組みが行われています。今や広告領域のみならず、非常に幅広い事業を展開し、また多様な業種・業態のパートナーと協業している当社グループには、既存の枠にとらわれずに社会課題解決への取り組みをさらに広げていく大きな可能性があると期待しています。グループ全体の大きな方針が当社グループのサステナビリティゴールと合致するよう、「社会の目」の代理として、また一人の生活者として意見を述べていくことによってしっかりと役割を果たしていきます。