Integrated Report 2022
Hakuhodo DY Holdings
Integrated Report 2022

地域創生と放送局の新たなBtoC収益を目指すLIVEコマースサービス —
クラフトーク

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    博報堂DYメディアパートナーズ
    クラフトーク チームメンバー

    (左から)矢原、蒲地、伊藤

    デジタル化の進展によって、生活者の購買行動のオンライン化が進む中、Eコマース市場は急速に拡大を続けています。利便性の追求によって通信や物流はますます整備され、物理的な制約が少なくなる一方で、販売される商品の種類が多様化し商品特性や機能的価値による差別化が難しくなっている現状もあります。商品の価値をより魅力的に伝えるコンテンツを制作できるか、またどのような方法で伝え理解を促すことができるかなど、いかに生活者の感情を動かすことができるかがEコマース市場における重要な要素と言えるでしょう。
    テレビ広告市場においては、OTTサービスなどのインターネットサービスの台頭による可処分時間の奪い合いが激化し、放送局はデジタル時代の新たな収益方法を模索しなくてはならなくなっています。
    博報堂DYメディアパートナーズ発の新サービス「クラフトーク」では、各放送局の持つローカルネットワーク力を活かして地元の商品を選定し、熟練されたノウハウを通じて商品の魅力をあますところなく伝えるコンテンツを制作します。配信にあたっては、テレビ放送枠や保有するスマートフォンアプリケーションなどデジタルメディアによる発信力を活用。さらにはすべてのEコマースコンテンツをライブやアーカイブで配信するプラットフォームを通して、地域の生産者・販売者と直接コミュニケーションをとりながらショッピングができる仕組みも提供します。

    クラフトーク概要

    • 放送エリア

      21放送エリア

    • 放送局

      22放送局(各エリア1放送局 ※富山県のみBBTとKNB)
      RNB(愛媛県)NKT(鳥取県・島根県)RAB(青森県)YBS(山梨県)KTK(石川県)
      CTV(愛知県・岐阜県・三重県)KBC(福岡県)HBC(北海道)TSS(広島県)YTS(山形県)
      FTV(福島県)TSB(長野県)BBT(富山県)KNB(富山県)
      FBC(福井県)KSB(岡山県・香川県)
      RKC(高知県)NCC(長崎県)STS(佐賀県)TOS(大分県)
      KKB(鹿児島県)QAB(沖縄県)

    • 配信スケジュール

      2022年5月中旬より毎週配信中

    • 配信
      プラットフォーム

      HandsUP
      (17LIVE(株)が提供するライブコマースツールおよび配信コンテンツコンサルティングサービスの提供)

生産者・販売者は、商品に対するこだわりなど機能面にとどまらない情緒的な価値を説明し、視聴者との双方向コミュニケーションを活用して各地域の商品を訴求。視聴者は、配信を見ながら商品を購入します。クラフトークは、親近感や安心感を醸成しながら、生活者の感情に訴求する“エモーショナルなLIVEコマースサービス”を目指しています。
生産者・販売者と直接触れ合うようなリアルなショッピング体験機会が減少している今日、特に県外の人に対し、地元放送局だからこそ知っている「これぞ」という商品を紹介することによって、新たな出会いをデジタル上で提供することができるようになります。

WEBサイト

これまで地域に根ざした映像制作やイベント活動などを通じ、地域の方々と喜怒哀楽をともにしながら強固な関係を築き上げてきた放送局が、「クラフトーク」の提供する新たな手法により地域経済の活性化に貢献することができるようになりました。さらに、双方向のデジタル配信やプラットフォームの活用によって、新たなBtoC収益機会の創出も期待されます。まさに放送局のこれからのビジネスの方向性を支援する仕組みとなっていくでしょう。
博報堂DYメディアパートナーズがネットワークのハブとなって、放送局の系列を横断する広範囲なサービス提供を実現し、各エリアの売上をお互いに助け合う連合体の構築を目指しています*。
また、視聴データを分析することで、最適な配信時間帯・番組内容・商品・広告・出演者などを見極め、生産者・販売者、放送局の最適解を追求しています。

* 2022年5月現在、全国32放送エリアのうち21放送エリアで配信。随時拡大予定。系列に関係なく多数の放送局が参加

配信映像(アーカイブ)

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    蒲地 クラフトークを立ち上げたきっかけは、2020年からの新型コロナウイルス感染症の流行により、放送局も博報堂DYメディアパートナーズもテレビ広告ビジネスの面で大きな影響を受けたことです。社内で会議を重ね、放送局の地域ネットワークと良質なコンテンツ制作力を活用して地元の生産者のこだわりを伝えるLIVEコマースを実施するに至りました。このクラフトトークが国内におけるLIVEコマースの成功事例になることを目標にしています。将来的には、海外の方々にも購入していただける仕組みの構築とクラフトークのプラットフォーム化を目指し、他の事業にも展開していきたいと考えています。

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    伊藤 クラフトークは、従来の大手ECサービスでは伝えることが難しい、情緒的な価値を伝えることを主軸にしたサービスです。放送局と一体となり、今までにない日本発掘型のエモーショナルなECサービスを目指しています。クラフトークにより、全国にはまだ知られていない、各エリアで良いモノをつくっているクラフトパーソンの想いを知っていただき、地域活性化や、放送局と博報堂DYグループの新たな収益機会の獲得につながる「三方良し」のサービスを提供したいと考えています。

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    矢原 放送局の中には、自らECサイトを持ち通販ビジネスに力を入れているところもありますが、顧客の多くは放送エリアの生活者にとどまっています。クラフトークの特徴は、全国の生活者を対象に系列を超えて放送局が連携し、自社放送枠、自社制作番組、局アプリやSNSなど、告知面で協力し合うという点であり、これは今までにない新しい取り組みだと思っています。放送局がBtoCビジネスを始めるにあたり課題は多いですが、博報堂グループがハブとなって改善施策を打ち出していき、系列を超えた放送局と一緒に様々な事業展開をしていきます。