Integrated Report 2022
Hakuhodo DY Holdings
Integrated Report 2022

脱炭素社会を推進するプラットフォーム — Earth hacks

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    Earth hacks プロジェクトメンバー

    (左から)伊藤(博報堂ケトル)、清水(SIGNING)、
    関根(博報堂・ミライの事業室)、
    山本(博報堂・ミライの事業室)

    生活者一人ひとりのアクションで脱炭素社会を推進する共創型プラットフォーム「Earth hacks」は、広告事業を超えた新規事業開発を目指す博報堂の「ミライの事業室」、博報堂ケトル、SIGNINGと三井物産(株)による共同プロジェクトです。
    日本では2030年度までの温室効果ガス46%削減(2013年度比)が目標として掲げられています。その実現のためには家庭部門の排出量を66%削減することが必要となりますので、生活者の暮らしの中での脱炭素行動をいかに促進できるかがますます重要な課題となっています。
    Earth hacksは、Z世代をはじめとする既に脱炭素に関心がある人だけでなく、まだよく知らないという人に対しても脱炭素に向けた活動を身近に感じてもらえるよう、具体的に自分の生活にも取り入れたいと思えるライフスタイルやエシカルな商品の情報を提供したり、生活者の声をもとにした脱炭素関連商品・サービスや事業の開発を目指す共創型のプラットフォームです。
    最大の特徴は、CO2e*1排出量を従来の製品と比較して差分を出すというユニークなアプローチによって商品に新しく価値付けを行うことで、決して企業主体ではなく、生活者が楽しみながら脱炭素に貢献できる仕組みを提供するという新しい取り組みです。
    2022年1月には、パートナー企業の脱炭素関連商品・サービスを紹介するメディアを開始しており、Earth hacksのInstagramやWEBサイトでは、素材や輸送手段、製造過程においてCO2eを抑えた商品を紹介するとともに、従来の素材や手法でつくられた製品と比較した時の差分としての削減量が一目でわかる仕組みを提供しています。
    さらに7月からは新たなサービスとして、スウェーデンのインパクトテック企業DoconomyのCO2e排出量可視化ツール“The 2030 Calculator”などを活用した「CO2e削減率」を「デカボスコア*2」として算出し、企業や団体向けに提供し始めています。

    *1 CO2eとは、CO2相当量に換算した値のこと *2「デカボスコア」は商標登録出願中です。

Earth hacksのコンセプトに賛同していただいた伝統的な正装である「黒紋付」の専門店・(株)京都紋付。古着を染め替えることで新品衣類を製造するより二酸化炭素の排出量を大幅に抑えることができる。

デカボスコア

「デカボ」とは、脱炭素を意味するデカーボナイゼーション(decarbonization)の略です。生活の中で脱炭素への貢献度を実感しやすいよう、「CO2排出量○kg」といった絶対値で環境価値を表示するのではなく、セール品の価格や食べ物のカロリーと同じように「○%オフ」の表示形式を採用。従来品との差分を明確に示し、生活者がより環境価値のある商品を選びやすくなる、そんな生活者の脱炭素アクションの第一歩につながる指標として「デカボスコア」を開発しました。
商品やサービスの“環境価値”が消費者や生活者にとって、これからの新しい選択基準となるような社会的なムーブメントを起こしていきながら、未来の社会創造に寄与することを目指しています。
博報堂グループの生活者視点やクリエイティビティと、三井物産(株)の脱炭素ソリューションや国内外のネットワークを掛け合わせ、情報発信やコンテンツ開発を行っていくことで、生活者を巻き込み、生活者とともに社会へインパクトをもたらす脱炭素の取り組みへと成長させていく予定です。博報堂の新規事業開発組織である「ミライの事業室」、企業のサーキュラーエコノミー化を支援する専門チームを有する「博報堂ケトル」、社会の課題解決と企業の新たな成長のためのソリューションを提供するソーシャルビジネススタジオ「SIGNING」が共同で推進していきます。

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    清水 社会全体が急速に持続可能性に舵を切る中、広告会社にできることはなんだろう、と常に考えています。多くの企業と関係を持つ広告会社が今挑むべきことは、新しい社会の姿の構想とそのための仕組みの実装です。Earth hacksは変化の潮流の1つ「脱炭素化」に向けて、構想され、実装されました。生活者側から変化のうねりをつくることで、日本社会全体の脱炭素化に貢献していきます。

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    関根 今や脱炭素後進国である日本において、海外の先進的なソリューションを積極的に取り入れていくことは必要不可欠です。また、海外のソリューションを生活者が自分ごと化し主体的なアクションを起こしていかなければ脱炭素社会の実現は不可能です。そこでEarth hacksでは商社と広告会社のお互いの強みを最大限掛け合わせることで、この課題を解決し、生活者とともに無理のない笑顔あふれる脱炭素社会づくりに挑戦していきます。

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    山本 Earth hacksでは博報堂が「広告代理店」の枠を飛び越え、企業と「共創パートナー」となり、日本を脱炭素社会に変えるチャレンジをしています。既に企業、行政、メディア、生活者から大きな反響があり、大きな第一歩を踏み出したことを実感しています。博報堂のDNAである生活者発想を基軸に、博報堂の3,000以上のクライアントとともに大きなムーブメントを生み出し、生活者にとって本当に必要な脱炭素社会の実装を目指します。

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    伊藤 環境問題を世の中ごとにするにはどうするべきか。ニュースで目にする機会が増えること?企業が積極的に取り組むこと?両方とも大切です。でも一番大切なことは生活者が自発的に行動をすることだと考えています。一方的に答えを与えて強制するのではなく、“選択肢”を提示するEarth hacksを通じて、一人でも多くの生活者が自発的に行動し、脱炭素を日本社会全体で世の中ごとにできるようチャレンジしていきます。