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統合報告書2023 トップメッセージ

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生活者一人ひとりの想いがあふれ、
いきいきと生活できる社会を目指し、
当社のクリエイティビティによる
課題の解決に取り組みます

生活者一人ひとりの想いがあふれ、いきいきと生活できる社会を目指し、当社のクリエイティビティによる課題の解決に取り組みます

はじめに

博報堂DYホールディングスが誕生したのは、2003年10月1日。2023年は博報堂DYグループが誕生してから、ちょうど20年となりました。国内の広告会社3社の経営統合によって生まれた当社グループは、今や海外を含め400社以上のグループとなり、25,000人を超える社員がともに働き、広告ビジネスの枠組みにとらわれることなく事業領域を拡大し続ける存在となっています。

私たちの強みであるクリエイティビティを活かしながら、企業のマーケティングの進化に貢献する価値創造パートナーとなることで持続的な事業成長を遂げるとともに、生活者のパートナーとして、社会の発展に寄与する新しい価値を創造し続けることを目指してきました。次の節目に向けて、グループ一体となって新しい価値創造に挑戦しています。

一方で、2023年2月に東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に関する独占禁止法違反の疑いで当社グループの従業員が起訴されました件につき、株主をはじめステークホルダーの皆様に多大なご迷惑、ご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。

ビジネスコンプライアンスのいっそうの徹底を図ることにより、全力で当社グループの信頼回復に努めていく所存です。

水島 正幸

中期経営計画目標の達成に向けて

この20年の間にデジタル化の進展によって広告業界は大きく変わりました。当社グループも既に広告セクターを超えた企業グループとして様々な領域にビジネス活動を展開しています。また現中期経営計画期間中には、コロナ禍による社会・経済への大きなインパクトも加わるなど、想定外の出来事もありました。

私たちが提唱する戦略の基礎となる環境変化「オールデジタル化の進行」が加速する中、この変化へ柔軟かつスピーディーな対応をすべく戦略のアップデートを行い、「提供サービスの変革」「変革を加速する横串機能の強化」「従来戦略に基づく変革の継続」「サステナブルな企業経営のための基盤強化」を進め、目標の達成に向けた取り組みを着実に実践できているものと評価しています。

事業領域の拡大によって、
提供サービスを変革する

私たちの事業は、広告ビジネスを中心にしながらも大きく変化してきています。クライアントの事業も、業種・業態に限らずデジタル化による変革が急速に進んでいます。

そうした動きに対応すべく、博報堂DYグループは、強みである「生活者データ」を駆使してあらゆるマーケティング局面をカバーする“生活者データ・ドリブン”フルファネルマーケティングの実践を軸に、クライアント企業のマーケティングやビジネスの進化に寄与するために活動領域を拡張してきました。

グループを構成する事業会社や専門会社の陣容を一覧するとお分かりいただけると思いますが、私たちは、いわゆる「広告会社」の枠組みを超えた多様な機能やサービス提供を行う企業体となっています。

さらにはこれまでの収益基盤でもあったメディアビジネスを変革すべく、データとテクノロジーの強化に基づくDXを進め、独自のAaaS(Advertising as a Service)モデルを開発し、導入してきました。メディア(媒体社)とクライアント企業の双方に高付加価値を提供する取り組みは着実に進展し、数多くの実績を生み出しています。

主にクライアントを対象とするマーケティングDXにおいても、グループ横断組織HAKUHODO DX_UNITEDを通じてマーケティング基盤の構築やデータ分析に関する様々なソリューションを提供してきました。

両輪であるメディアのDXとマーケティングのDXを掛け合わせることによって、当社グループの提供サービスは大きく変革しています。

私たちは、いわゆる「広告会社」の枠組みを超えた 多様な機能やサービス提供を行う企業体となっています

グループ競争力を高めるための
共通基盤としての組織づくり

グループの実態が広告会社の枠組みを超える中、グループ全体の競争力をさらに高めるためには、テクノロジー基盤の強化が特に重要であると認識し、2022年4月に「博報堂テクノロジーズ」を設立、優秀なエンジニアなどテクノロジストの採用に力を入れながら、グループ内の先端テクノロジーの知見の集約と高度化を進めています。また、グループ全体を管轄し、コーポレート機能の高度化・効率化を図るべく、2023年4月に「博報堂DYコーポレートイニシアティブ」を設立しました。これによって、従来のメディア機能(博報堂DYメディアパートナーズ)に加え、グループ内に3つのグループ共通基盤を持つ形へと進化しました。

これらをコアとして機能させながら、さらなるグループシナジーの発揮により博報堂DYグループ全体の価値創造力の向上を目指していきます。

グループの専門性と先進性を高めていく 戦略的な M&Aによる機能拡張を行っています

着実に進めてきたグローバルと
イノベーションへの取り組み

グローバル事業の拡大については、特にアジア地域におけるM&Aを効果的に進めながら、マーケティングコミュニケーション事業を中心に着実な伸長を実現しています。さらにグループの専門性と先進性を高めていく戦略事業組織であるkyuにおいても、ユニークでエッジの利いた企業を新たに迎えるなど、引き続き戦略的にM&Aを行いつつ、先進的なコンサルティングサービスを中心とした機能拡張を行っています。2023年3月期には、当社の海外事業領域の売上総利益は連結全体の25.8%*まで拡張しています。

また、外部連携によるイノベーションの加速についても、博報堂など中核事業会社において専門組織(ミライの事業室ほか)を組成し、様々なジョイントベンチャー案件や新会社の立ち上げを行ったり、CVCである博報堂DYベンチャーズが運営するHAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUNDを通じたスタートアップへの投資案件も50件を超えるなど、積極的な活動を展開中です。

* 2023年3月期における海外事業領域の連結売上総利益(投資事業を除いたもの)に占める割合を指す。

人財の多様性と成長を重要テーマと捉える
サステナブルな企業経営

中長期的な視点に立った、サステナブルな企業経営のための基盤強化にも取り組んでいます。

2022年4月にはサステナビリティ推進室を新設し、グループのサステナブル経営のハブとしての機能整備を進めています。私たちの価値創造の源泉となるのはなんといっても“クリエイティビティ人財”です。人が最大の資産である当社グループにとっては、とりわけ人財の多様性と成長、そして人権の尊重が重要なテーマとなります。2022年度から着手しているDE&Iの推進人権デュー・ディリジェンスについては着実に進捗しているところです。

またESG領域のE(環境)については、気候変動対応としてTCFD提言に基づく目標設定と開示を行い、SDGsターゲットである2030年とその先のカーボンニュートラル実現目標となる2050年を見据えた活動を展開しています。2023年度は、中核事業会社である博報堂にとどまらずグループ会社それぞれの活動を加速させています。

最大の資産「人財」について、多様性と成長、 人権の尊重を重要テーマとして取り組んでいます

コンプライアンス意識とインテグリティの追求

私たちが最も大切にしている生活者発想とパートナー主義を具現化していく上では、まずもって生活者や社会から信頼されることが不可欠です。そのためには一人ひとりが高いコンプライアンス意識を持ち、ビジネスにおいてもインテグリティ(誠実性・高潔性)を追求することが強く求められます。

人権の尊重や気候変動をはじめとする環境課題、さらには社会課題全般への対応を含め、様々なステークホルダーとの共存・共生のために常に進歩していかなければならず、そのための仕組みづくりや意識を高めていく取り組みに全力を挙げ、グループ全体のガバナンスシステムをよりいっそう強化していきたいと考えています。

そのような意味でも東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に絡む独占禁止法違反の疑いで世間をお騒がせしたことについて責任を痛感しています。既に再発防止策については着手していますが、これらをできるだけ早く確実に進め、今一度ビジネスにおけるコンプライアンス意識とインテグリティの追求を全グループ社員に徹底させていきたいと強く決意しています。

グループのさらなる成長に向けて

水島 正幸

グループ規模や事業領域は拡大していますが、私たちの出発点は常に、生活者一人ひとりの想いを大切にすること、そしてその想いが描く社会や生き方を実現するためには何が必要なのかといった本質的な問いに向き合うことです。時代の変化によってクライアント企業や社会に生じる新たな課題を解決するための新しいアイデアを創造し、アウトプットまで実装を行い、ソリューションを実現させる。その過程で、どこにも負けない“未来をつくるクリエイティビティ”を発揮し、難易度が高いと言われる課題を解決する。そのような独自の価値創造力を持った企業として、クライアント企業やすべての取引先企業、株主、社員を含めたステークホルダーに最大の価値を提供していきます。

新しい中期経営計画は2024年に発表しますが、これまでの戦略投資と事業拡張を経て「広告会社グループ」の枠を超えた企業体として、新たな事業領域を目指していく大きな方向性に変わりはありません。

デジタルテクノロジーを存分に活用しながらも、生活者一人ひとりの想いがあふれる素晴らしい社会をつくることを目指し、そうした社会の中で私たち博報堂DYグループがキープレイヤーとなっていけるよう、さらなる成長を続けていきます。

代表取締役社長

水島 正幸