コーポレート・ガバナンス
当社グループは、持続的な成長と企業価値の継続的な向上の実現を目的とし、生活者の豊かな未来の創造、経済の伸長、社会の発展に貢献することを目指しております。そのための重要な経営課題の一つとして、コーポレートガバナンスを位置づけ、その強化・充実を進めております。
コーポレートガバナンス・ガイドライン
コーポレートガバナンス・ガイドラインは、グループの持株会社である当社のコーポレートガバナンスについて、その考え方と概要をまとめたものです。ガイドラインの内容は、当社の取締役会の決議により決定され、1年に1度、その内容を取締役会で検討し、アップデートすることとしております。最新のガイドラインはこちらをご覧ください。
コーポレートガバナンス報告書
東京証券取引所に提出しておりますコーポレートガバナンス報告書については、こちらをご覧ください。
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、持続的な成長と企業価値の継続的な向上の実現のため、様々なステークホルダーからの信頼と期待に応え、クリエイティビティの力をもとに、マーケティングの進化とイノベーションの創出をリードする世界一級の企業集団として、生活者の豊かな未来を創造し、経済を伸長させ、社会を発展させることへの貢献を目指しています。
そのために、当社は、持株会社として傘下の多彩な事業会社の「自立と連携」が促進される環境を整え、各社の連携が単なる総和以上の価値を発揮できるように、グループ全体の経営管理を強化することを経営の重点課題の1つであると認識し、その改善に努め、当社グループにおけるコーポレート・ガバナンスの強化・充実に積極的に取り組んでいきます。
なお、傘下の事業会社のうち上場企業に対しても、その独立性を尊重しつつ、グループとしての連携も図ることとしています。
コーポレート・ガバナンス体制
当社グループのコーポレート・ガバナンス体制は下図の通りです。
取締役会
取締役会の役割・責務
当社の取締役会は、株主に対する受託者責任、説明責任を踏まえ当社グループの基本的な理念に従い、生活者の豊かな未来の創造、経済の伸長、社会の発展に資するよう、当社グループ全体の経営の大きな方向づけを行います。その上で、会社の業績等の適切な評価や個々の重要な業務執行の意思決定、取締役や執行役員に対する実効性の高い監督、正確で適切な情報開示、内部統制やリスク管理体制の整備とその運用の監督を行います。
取締役の選任に関する方針及びスキル・マトリックス
詳細は下記よりご確認ください。
取締役及び監査役のスキル・マトリックス
取締役会の出席状況
取締役会は、原則として月1回以上開催するほか、必要に応じて臨時に開催しています。
2024年度は、計21回開催しており、出席状況は以下の通りです。
役職名 | 氏名 | 出席状況(出席率) |
---|---|---|
取締役会長 | 戸田 裕一 | 21回/21回(100%) |
代表取締役社長 | 水島 正幸 | 21回/21回(100%) |
取締役副社長 | 矢嶋 弘毅 | 20回/21回( 95%) |
代表取締役専務執行役員 | 西岡 正紀 | 21回/21回(100%) |
取締役専務執行役員 | 江花 昭彦 | 19回/21回( 90%) |
取締役常務執行役員 | 安藤 元博 | 18回/19回( 94%) |
社外取締役 | 服部 暢達 | 20回/21回( 95%) |
社外取締役 | 山下 徹 | 20回/21回( 95%) |
社外取締役 | 有松 育子 | 20回/21回( 95%) |
社外取締役 | 上田 廣一 | 14回/14回(100%) |
- 安藤元博氏は、2025年2月21日をもって取締役を退任しておりますので、退任までの期間に開催された取締役会の出席状況を記載しております。
- 上田廣一氏は、2024年6月に取締役に就任したため、就任後に開催された取締役会の出席状況を記載しております。
具体的な上程事項
2024年度の取締役会における具体的な上程事項は、以下の通りです。
上程事項 | 主な内容 |
---|---|
決議事項 | 株主総会関連、取締役会の実効性評価、役員人事・報酬、株主還元(自己株式取得、配当)、経営戦略、(四半期ごとの)当社グループ予算・決算、事業会社における出資・M&A・会社設立等の重要な事項、その他各種経営テーマ、サステナビリティに関する重要な事項 等 |
報告事項 | 株主総会の議決権行使結果、株主構成の状況、有価証券報告書・内部統制報告書の提出、報酬委員会および指名委員会の審議内容、政策保有株式のモニタリング実施、資金運用の状況、財務報告に係る内部統制評価、監査役会監査計画、会計監査人の監査報酬、(四半期ごとの)当社グループ業績、内部統制システム強化施策 等 |
審議事項 | 取締役会の実効性の自己評価、グループ予算編成方針、グループ会社再編方針 等 |
取締役会の諮問機関および取締役会の意思決定を補佐する会議体
当社は、取締役会の諮問機関および取締役会の意思決定を補佐する会議体として以下の会議体を設置しています。
会議体 | 目的・活動内容 | 構成メンバー(※2024年6月1日時点) |
---|---|---|
報酬委員会 | 取締役会の諮問機関として設置しており、当社の取締役・執行役員の報酬の決定に係る審議を行い、取締役会にて決議を行うことにより、報酬の決定のプロセスにおける透明性及び合理性を確保しています。 | 委員長: 服部 暢達 独立社外取締役 構成員: 山下 徹 独立社外取締役、有松 育子 独立社外取締役、上田 廣一 独立社外取締役、戸田 裕一 取締役、水島 正幸 取締役、 西岡 正紀 取締役 |
指名委員会 | 取締役会の諮問機関として設置しており、当社の取締役・執行役員の選解任等の決定に係る審議を行い、取締役会にて決議を行うことにより、選解任等の決定のプロセスにおける透明性及び合理性を確保しています。 | 委員長: 山下 徹 独立社外取締役 構成員: 服部 暢達 独立社外取締役、有松 育子 独立社外取締役、上田 廣一 独立社外取締役、戸田 裕一 取締役、水島 正幸 取締役、西岡 正紀 取締役 |
経営会議 | 取締役会の意思決定を補佐することを目的に設置しており、主に予算、中期計画、組織および投融資案件等、経営上の重要事項について事前審議を行うこととしています。 | 議長:社長 構成員:当社取締役および執行役員のうち議長の指名する者 |
グループ経営会議 | 取締役会の意思決定を補佐することを目的に設置しており、当社グループ全体に係る予算、中期計画、組織および投融資案件等、経営上の重要事項について事前審議を行うこととしています。 | 議長:社長 構成員:当社取締役および執行役員のうち議長の指名する者、議長の指名する主要事業会社の代表者、その他議長の指名する者 |
統合会議 | 当社グループ全体に係る利益計画および経営戦略の進捗状況を定期的に把握・管理することを目的に設置しており、主にグループ連結業績、各事業会社の業績等に係る報告、および重点戦略領域に係る意見交換を行うこととしています。 | 議長:社長 構成員:当社取締役および執行役員のうち議長の指名する者、議長の指名する主要事業会社の代表者、その他議長の指名する者 |
博報堂DYグループサステナビリティ委員会 | 当社グループにふさわしい環境及び人権、DE&I、サプライチェーンなどのサステナビリティに関する基本方針、テーマ及び施策案の検討・策定を行うことを目的に設置しております。また、当該委員会より取締役会に対し、サステナビリティ関連課題の評価や状況、目標管理について報告を行うとともに、リスク及び機会を考慮し、経営戦略の策定などについて総合的な意思決定を行っております。 | 委員長:社長 構成員:当社取締役(社外取締役を除く)、委員長の指名する主要事業会社の代表者、その他委員長の指名する者 |
博報堂DYグループコンプライアンス委員会 | 当社グループにおけるコンプライアンス体制の整備と推進を指揮・監督し、当社グループのコンプライアンス体制が有効に機能しているかも含めた内部統制状況の確認、コンプライアンス施策や発生した問題に対する対応方針のグループ全体への周知、推進・管理を行うことを目的に設置しており、当該委員会より取締役会に対し、活動報告を行うこととしております。 | 委員長:社長 構成員:主要事業会社の社長、その他委員長の指名する当社役員 |
取締役会の実効性評価
取締役会の特徴や強み、課題の把握によるコーポレート・ガバナンスのさらなる強化を目的に、外部機関を活用し、取締役会の実効性評価を行っています。
2024年度の実施内容と調査結果
① 2025年2月に「取締役会評価に関する質問票」をすべての取締役および監査役に配布
② 回答を外部機関が客観的な立場から取りまとめ、その集計・分析結果に基づき、2025年5月に取締役会における分析・評価を実施
〈質問項目〉
① 取締役会の役割・機能
② 取締役会の構成・規模
③ 取締役会の運営
④ 監査機関との連携
⑤ 社外取締役への機会の提供
⑥ 株式・投資家との関係
⑦ 総括
〈調査結果〉
2024年度の取締役会の構成、運営、審議内容等は、概ね適切であり、多様で高度なスキル・経験・知識を有する取締役からなる構成は強みであること、また、意見を出しやすい雰囲気が醸成されている点も強みであることが確認されました。
一方で、2024年度の評価結果では、前年度と比較して評価が低下した項目もあり、寄せられた指摘・提言に対し、スピーディに改善策を講じていくことが重要であると認識しております。
2024年度調査における主な課題と改善点
今回の調査・分析の結果より、下表の通り主な課題を4点抽出し、各課題に対して改善策を予定しています。
主な課題 | 主な改善策(予定) |
---|---|
取締役会における中長期課題に関する議論のさらなる充実 | 取締役会の頻度・時間の適正化を行い、中長期課題に関する議論時間確保のための付議事項の見直しを検討する。取締役会において審議すべき中長期テーマについて、アジェンダ化の検討を進める。 |
社外役員が事業の実態をより深く知るための機会創出 | 社外取締役による執行役員へのマネジメントインタビューの設定を検討し、拡大する各事業領域やその背景等に関してより理解を深める機会提供を設計する。 |
指名委員会・報酬委員会における議論内容の取締役会への共有 | 指名委員会・報酬委員会から取締役会への報告を、これまでの年間活動報告から開催単位での報告に変更し、論点となったポイントや審議結果について丁寧に報告を行う。 |
内部統制の改善に関する取締役会への報告のさらなる充実化 | 内部統制システムの運用状況に加え、グループコンプライアンス委員会の活動について、少なくとも年に2回は取締役会へ報告を行うこととする。 |
その他、後継者計画についての取締役会への適切な情報提供、取締役会におけるさらなる多様性の確保、ガバナンス体制のさらなる拡充等を、取締役会の実効性をさらに高めていくために中期的に取り組むべき課題として認識しております。
当社取締役会は、評価の結果を踏まえ、取締役会のさらなる実効性の向上のために継続的な取組みを行ってまいります。
社外役員向けトレーニングの実施
社外役員が当社グループの事業や課題についてより深い理解を得ることを目的に、当社グループ各社が社内外に向けて行うセミナーへの参加機会の提供、当社海外事業におけるグローバルマネジメントに関する取り組みの継続的な共有、当社グループにおけるテクノロジー領域業務の勉強会等を実施いたしました。今後も、取締役会における議論の充実、監督機能の発揮に繋がるような施策を検討・実施してまいります。
報酬委員会・指名委員会
報酬委員会・指名委員会の設置
当社は、取締役会の諮問機関として「報酬委員会」および「指名委員会」を設置し、当社の取締役・執行役員の選解任・報酬の決定に係る審議を行い、取締役会にて決議を行うことにより、選解任・報酬の決定のプロセスにおける透明性および合理性を確保しています。取締役会は、事業年度期間に開催された報酬委員会および指名委員会の審議内容の概要について、両委員会の委員長である社外取締役より報告を受けています。
報酬委員会の出席状況
2024年度における報酬委員会の出席状況については、以下の通りです。
役職名 | 氏名 | 役職名 | 出席状況(出席率) |
---|---|---|---|
委員長 | 服部 暢達 | 独立社外取締役 | 3回/3回(100%) |
委員 | 山下 徹 | 独立社外取締役 | 3回/3回(100%) |
委員 | 有松 育子 | 独立社外取締役 | 3回/3回(100%) |
委員 | 上田 廣一 | 独立社外取締役 | 1回/1回(100%) |
委員 | 戸田 裕一 | 取締役 | 3回/3回(100%) |
委員 | 水島 正幸 | 取締役 | 3回/3回(100%) |
委員 | 西岡 正紀 | 取締役 | 3回/3回(100%) |
報酬委員会の活動状況
2024年度に係る取締役の報酬等の決定過程における報酬委員会の活動内容は次の通りです。
報酬委員会の開催回数 | 3回 |
---|---|
主な審議内容 | • 当社役員の年額報酬および総報酬水準の妥当性検証 • 年次賞与枠(総額) • 個別の年額報酬額・年次賞与額・株式型報酬 • 当委員会の委員長選定 等 |
指名委員会の出席状況
2024年度における指名委員会の出席状況については、以下の通りです。
役職名 | 氏名 | 役職名 | 出席状況(出席率) |
---|---|---|---|
委員長 | 山下 徹 | 独立社外取締役 | 6回/6回(100%) |
委員 | 服部 暢達 | 独立社外取締役 | 5回/6回( 83%) |
委員 | 有松 育子 | 独立社外取締役 | 6回/6回(100%) |
委員 | 上田 廣一 | 独立社外取締役 | 6回/6回(100%) |
委員 | 戸田 裕一 | 取締役 | 6回/6回(100%) |
委員 | 水島 正幸 | 取締役 | 6回/6回(100%) |
委員 | 西岡 正紀 | 取締役 | 6回/6回(100%) |
指名委員会の活動状況
2024年度に係る取締役等の指名の決定過程における指名委員会の活動内容は次の通りです。
指名委員会の開催回数 | 6回 |
---|---|
主な審議内容 | • 取締役及び執行役員の任免並びに担当職務の変更 • 後継者計画の策定 • 取締役及び監査役のスキル・マトリックスの策定 • 当委員会の委員長選定 等 |
監査役会
監査役会の設置
監査役会は、社外監査役3名を含む5名で構成され、定期的(原則月1回)または必要に応じて臨時の監査役会を開催しています。監査役は、取締役会のほか、重要な会議体へ出席するとともに、取締役および重要な使用人との意見交換、広告事業会社および総合メディア事業会社等の業務状況の報告を受けること等により、持株会社の監査役としてのグループの視点で取締役の職務執行につき監査を行っています。
監査役会の活動状況
監査役会は、原則として毎月1回以上開催するほか、必要に応じて臨時に開催しております。当事業年度では計28回開催し、年間の上程事項数は88件です。また、各監査役の出席状況については、以下の通りです。
役職名 | 氏名 | 出席状況(出席率) |
---|---|---|
常勤監査役 | 今泉 智幸 | 27回/28回(96.4%) |
常勤監査役 | 西村 治 | 28回/28回(100.0%) |
監査役 | 友田 和彦 | 28回/28回(100.0%) |
監査役 | 菊地 伸 | 27回/28回(96.4%) |
監査役 | 矢吹 公敏 | 25回/28回(89.3%) |
- ※2025年4月8日付で、監査役今泉智幸氏は、辞任により退任いたしました。
上程事項
2024年度の監査役会における具体的な上程事項は、以下の通りです。
決議事項 | 監査役会議長の選定、常勤監査役の選定、特定監査役の選定、監査役の報酬等の決定、監査計画(監査方針・重点監査項目・職務分担等)の決定、監査役選任議案に関する同意、会計監査人の選任・解任・不再任に関する議案の内容の決定、株主総会における議案等の調査・確認、会計監査人の報酬等に関する同意、監査役の報酬等の決定、監査報告書の作成・提出 等 |
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報告事項 | 常勤監査役の職務執行状況報告、計算書類等及び附属明細書並びに連結計算書類の受領及び概要報告、(四半期毎の単体・連結)決算及び業績概要報告、会計監査人の選解任に関する意見報告、会計監査人・監査室の監査計画の報告、会計監査人による期中レビュー、会計監査人監査結果報告、金商法監査結果報告、財務報告に係る内部統制システムの整備・運用状況及び評価調書の報告、グループコンプライアンス委員会の活動報告 等 |
審議事項 | 会計監査人の選解任、監査役会監査報告書に関する審議、代表取締役及び取締役等へのヒアリングに関する審議 等 |
社外役員の会合
当社は、独立社外役員の独立・客観的な立場に基づく情報交換・認識共有を図るため、常勤監査役がオブザーバーとなり、独立社外役員を構成員とする会合を定期的に実施することとしており、2024年度は、2024年7月17日に開催しております。