中期経営計画
(2022年3月期~2024年3月期)<2022年2月発表>
博報堂DYホールディングスは、2019年5月に2024年3月期を最終年度とする中期経営計画(当時の決算説明会資料)を発表し、各種取り組みを進めてきましたが、コロナ禍の影響によりビジネス環境が激変したことを受け、一旦数値目標をとり下げ、2022年2月に、2022年3月期から3ヵ年の見直し中期経営計画を発表しました。同計画の概要は以下の通りです。
環境認識
オールデジタル化による環境の激変
コロナ禍の影響により、生活全体のデジタル化が進み、環境は激変
オンラインサービスが急速に普及し、常時接続型のライフスタイルへ急速に変化
業界の垣根を越えた新たなサービス/市場が勃興し、産業の枠組みの再定義が進行

生活者インターフェース市場の拡大
あらゆるモノがインターネットとつながる世界が現実となり、モノと生活者の関係は単なる「接点」ではなく、相互に情報のやり取りをする「インターフェース」に進化

身の回りのモノがネットワークにつながり、データ化され、それらを活用して、一人ひとりの生活者に最適化したサービスを提供することが可能に

ヒトとモノの境界線から新しい生活が始まり、新しい市場が生まれる世界へ変化
コロナ禍がもたらしたデジタル化の加速により、この新市場は予想を越えたスピードで拡大

間接接点から直接接点への拡張
生活者インターフェース市場が拡大する中で、得意先のマーケティングニーズも変化
得意先と生活者のつながりは、従来の広告等の間接接点だけでなく、店舗やECサイトなども含む直接接点まで拡張し、全体をデータで統合管理することが求められる環境へ

計画見直しの方向性
中期経営計画見直しの位置づけ
2022年3月期から2024年3月期を、得意先のマーケティングとイノベーション両課題の解決をリードし、得意先・自社のサステナブルな成長を実現するために「提供サービスと事業基盤の変革を加速する期間」と位置づける
中期基本戦略は継続しつつ、以下の取り組みを進め、グループ全体をアップデート
1.提供サービスの変革
これまで先行してきた“生活者データ・ドリブン” マーケティングを、フルファネルで実践できる形へと進化

(1)マーケティング実践領域の拡張
生活者インターフェース市場が拡大する中で、マーケティング実践領域への機能拡張は必須要件
生活者データと基盤テクノロジーをベースに、よりフラットかつ高度に統合管理を行う能力の強化が急務

広告制作の内製化による収益性の向上を実現してきたが、企業のマーケティングニーズ変化を先取りし、広告領域を超えて、マーケティング活動の実践をサポートする機能を整備
マーケティング全体において、戦略と実行の両機能をグループ内に保持することで、スピーディーかつ高質なサービス提供と、高い収益性を確保する戦略を推進
企業の課題解決に留まらず、コロナ禍対応等、社会的な課題の解決にも貢献

(2)メディアビジネスの変革
AaaSによるビジネス変革に注力し、メディアの付加価値向上による既存ビジネスの維持/拡大を推進
グループ内に「得意先の成長に合わせたデジタルサービス提供のエコシステム」を構築し、地方/中小・ベンチャー企業ビジネスの強化、ロングテール市場の取り込みも含めたデジタルビジネスの拡大を志向

(3)生活者起点でのDX
当社グループのDX業務は、生活者起点で企業のマーケティングや事業そのものの変革、さらには社会の変革を目指すもの

2.変革を加速する横串機能の強化
変革を加速するため、従来のメディア機能に加え、新たに3つのグループ横串機能の強化を推進し、グループ全体最適の視点を、より重視した経営へ
横串機能の強化は、まずは国内から着手し、将来的には海外への展開も想定

博報堂テクノロジーズの設立
よりテクノロジードリブンな企業体へ進化するため、グループ共通基盤として博報堂テクノロジーズを設立
グループに散在するリソースを集約するとともに、専門機能会社としてエンジニアにマッチした人材マネジメント体系を担保し、外部専門人材の採用・育成を強化

3.従来戦略に基づく変革の継続
(1)ボーダレス化する企業活動への対応力強化
成長市場である海外への積極的な投資を行い、3つの要素を起点とした海外事業の強化を継続
加えて、「海外ネットワーク機能」と、kyuの「専門性/先進性」の連携を強化し、グループ総体としての海外事業拡大を推進するホールディングスのグループ戦略機能を強化

(2)外部連携によるイノベーションの加速
取引先企業/ベンチャー企業/当社グループをつなぐ連携基盤を拡張し、3者の強みの相乗効果による「提供サービスと自社のイノベーション」を加速
生活者インターフェース市場における新たな事業の開発、ソーシャルグッドな事業の創出など、生活者に 対して新たな価値を提供する新規事業開発を、「クリエイティビティ×テクノロジー」を起点に推進

4.サステナブルな企業経営のための基盤強化
循環型の価値創造モデルに基づき、サステナビリティゴールの実現を目指す
取り組みの推進に向け、ホールディングスの機能強化を想定

人財への積極投資
当社グループのサステナブルな成長を支える最大の要素は「ヒト」であり、短期的にはコスト先行となるような施策も含めた「人財投資」を推進
社員が「クリエイティビティを最大限発揮できる環境の整備」を目指す

中期経営目標
「成長性の維持・向上」と、中長期の継続成長に向けた「構造改革」のための戦略投資を実施

中長期での成長イメージ
短期的な利益成長を追うのではなく、大きな変革期に差し掛かっている足元の3年間で、事業構造の変革を進め、中長期的な大きな成長を目指す土台を盤石なものとする
