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Hakuhodo コラム

いまは自分の世界を広げるとき「いつか野球界に恩返ししたい」和田毅──アスリートイメージ評価調査インタビュー#5

公開日:
2025/12/04

2002年ドラフト会議で福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)に入団。その後メジャーリーグを経て、2016年にソフトバンクに復帰。2024年シーズンをもって現役を引退し、現在は福岡ソフトバンクホークスの球団統括本部付アドバイザーを務め、博報堂DYスポーツマーケティングでマネジメントしている和田毅さんへのインタビューです。世界の舞台で活躍した和田さんはどのようにプレッシャーと向き合ってきたのか、また今後チャレンジしたいことについてもうかがいました。
(聞き手:博報堂 グループメディアビジネス推進局 武方浩紀)

野球が好きだからうまくなりたい。できうる限り準備すれば、マウンド上でも開き直れる

-和田さんが野球をはじめたきっかけを教えてください。

和田:父親が野球をやっていたので、その影響が大きかったですね。物心ついた頃からボールとバットが近くにあって、父親とキャッチボールをしたり、野球観戦をしたり。自然の流れで野球に興味を持つようになりました。

-少年時代から野球に親しんで、プロでも22年間活躍されました。ここまで続けられた理由は何だと思いますか?

和田:ずっと野球を好きでいつづけられたからだと思います。
当然しんどい時期もありましたが、野球を嫌いにはならなかった。それが根底にあるのではないでしょうか。好きだからこそ、うまくなりたい。40歳を超えてからも、「今日よりも明日、明日よりも明後日いい球を投げられるようになりたい」という想いでつづけていました。
「勝ちたい」気持ちももちろんありましたが、それよりも「うまくなりたい」。そのためにどうすればいいかを考えつづけた現役時代だったと思います。

-日本代表としても世界の舞台で戦ってこられた和田さんですが、大舞台で緊張をコントロールする術などはありますか?

和田:どれだけ準備できたかに尽きると思いますね。練習もそうですし、相手選手のことをどれだけ調べられたか。後悔のないレベルに準備ができれば、ある意味マウンド上で開き直ることもできるんです。これ以上できることはなかったし、それでピンチを迎えたなら、いまの自分の実力なんだと受け止められる。普段の食生活なども含めて、できうる限り準備するということがすべてにつながると思います。

プロ野球人生を支えた大切な言葉は「磨杵作針(ましょさくしん)」。
諦めずに頑張り通せば、必ず物事は成し遂げられる。

ゴルフやライブ、夫婦の時間...。現役時代にできなかったことを経験する日々

-大切にしていたルーティーンなどありましたか?

和田:若いときは細かいことまでルールを決めていましたね。
服を着るときは右腕から袖を通すとか、帰り道は必ずこのルートで帰るとか。でもそれはある意味不安のあらわれ。そんな細かいことに時間や労力を使うくらいなら、もっと大事な準備をする時間にあてた方がいいんです。それに気づいてからは、なるべく決め事を少なくするように努力しました。
最後に残ったのは、食事は1日3食とる、睡眠時間は何時間以上、アップは何分前からはじめるといった本当に基本的なことだけ。不安から解放されるためのルーティーンをつくるより、もっと大切なことに時間を使った方がいい。そう思うようになりました。

-引退したいまでも守っていることはありますか?

和田:体重のコントロールと栄養面の管理ですね。当然ながら現役時代より運動量は減っているのに、外食やお酒の席は増える。やはり健康が第一ですので、そこには気をつけています。

-現役時代と引退後、やはり生活が大きく変化しましたか?

和田:そうですね。これまでできなかったことをたくさん経験できていると思います。いまゴルフにはまっているのですが、現役時代はシーズンオフのコンペに参加するだけだったので、いつも寒い時期。桜の季節やあたたかい時期にプレーできるのもすごく新鮮です。
あと、引退してはじめてアーティストのライブに行きました。堰を切ったかのように、今年だけで5、6回行っていますね(笑)。これまでは野球ばかりで妻と出かける時間もほとんどありませんでしたが、いまはいっしょにライブに行ったり、ようやく夫婦らしい時間を過ごしています。

現役時代からつづける社会貢献活動。今後は野球以外の世界にも知識を広げたい

-博報堂では2008年からアスリートイメージ評価調査という調査を行なっています。和田さんの現役時代、2023年10月のデータを見ると、「誠実な」「かっこいい」「テクニックがある」という項目が高くなっていますね。

<アスリートイメージ評価調査2023年10月実施調査より>

和田:うれしいですね。プロ野球選手としてはやはり「かっこいい」と思ってもらいたいですし(笑)。「テクニックがある」というのもうれしい。「明るい」が低いですね(笑)。あまり話さないイメージがあるからかな。でも、いまはYouTubeをやったりしているので、このポイントが上がっているかもしれないですね。

-もうひとつ、子どもがいる人にとってのアスリートイメージでは「子ども・次世代の育成に熱心である」「社会貢献に関心を持っている」という項目が高くあがっています。和田さんご自身もさまざまな社会貢献活動をされていますよね。

<アスリートイメージ評価調査2024年12月実施調査より>

和田:そうですね。2005年から「世界の子どもにワクチンを」という活動に参加しています。現役時代はボールを1球投げるごとにワクチンを10本、勝利したら何本、完投・完封したら何本とルールを加えて寄付をしていました。日本では当たり前に受けられるワクチンが世界の子どもにとっては当たり前ではなく、そのために多くの命が危険にさらされている。未来ある子どもたちのために何かできないかという想いからはじめた活動です。

-「DREAM BRIDGE」という、子どもの野球を支援する活動にも参加されていると伺いました。

和田:はい、野球はたくさんの道具が必要でお金のかかるスポーツなんですよね。プロ野球選手はスポンサーなどから支給された道具を使うことができますが、子どもたちにとっては大きな金額。家庭環境などを理由に野球がつづけられない子どもたちを支援するためのプロジェクトです。これをきっかけにもっと野球が好きになってもらえたらうれしいですし、少しでも長く野球を楽しんでもらえる一助になれたらと思っています。

-さいごに、社会貢献活動も含めてこれからやってみたいことなどをおきかせください。

和田:先日ドナルド・マクドナルド・ハウスの一つである「にいがたハウス」を訪問して、利用者の方とお会いすることができました。「世界の子どもにワクチンを」は海外に向けた活動でしたが、これからは国内のお子さんに向けての支援も積極的にやっていきたいと思います。
今後に関しては、やはりこれまで自分を育ててくれた野球界に恩返ししたいという想いは強いですね。そのためには自分自身もっと成長する必要があるので、野球もそれ以外の分野も勉強しながら知識を広げていきたい。
今年はじめたYouTubeチャンネルも、そのための一つのステップになると思っています。現役時代は本当に野球ばかりやっていましたし、コミュニケーションを取るにしても常に受け身で、質問されたことに答えればよかった。でも自分のYouTubeではそうはいきません。野球以外の世界の人に会って、話をきいて、いろいろな価値観に触れていきたい。楽しみながら知識を深めて、いつか野球に恩返しできる人間になりたいと思っています。

和田 毅

1981年2月21日生まれ、島根県出雲市出身。
浜田高校から早稲田大学を経て2002年に自由獲得枠で福岡ダイエーホークスに入団。
プロ入り後、1年目からシーズン14勝を上げ新人王を獲得。その後2011年オフ、海外FA権を行使し、ボルチモア・オリオールズに入団。その後2014年にシカゴ・カブスへ移籍。
カブスでプレーを続けた2015年オフには、日本球界への復帰を決断。
2016年シーズンからは古巣の福岡ソフトバンクホークスに復帰し、最多勝・最高勝率のタイトルを獲得するなど活躍を続け、2024年に現役生活に幕を下ろした。
現役生活を終えた今、福岡ソフトバンクホークスの球団統括本部付アドバイザーとしての業務を担う傍ら、解説業や講演活動、YouTube活動など様々な事に挑戦している。

YouTubeチャンネル 和田毅ラボ
https://www.youtube.com/watch?v=U-xGgrJh7w4

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