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AI 事業 人事/経営

博報堂DYグループ、AIがデータに基づき再現した複数の生活者との会話を実現
生活者発想を支援する"エビデンスベースド"「バーチャル生活者」を開発

公開日:
2025/11/13

株式会社博報堂DYホールディングス(東京都港区、代表取締役社長:西山 泰央、以下 博報堂DYホールディングス)と株式会社博報堂テクノロジーズ(東京都港区、代表取締役社長:中村 信)は、独自に保有する豊富な生活者データをもとにAIによって複数の生活者を再現し、いつでも対話することができる"エビデンスベースド"「バーチャル生活者」(以下 バーチャル生活者)を開発し、博報堂DYグループ全社員に向けて利用を開始しました。

「バーチャル生活者」は統合マーケティングプラットフォーム「CREATIVITY ENGINE BLOOM (クリエイティビティ エンジン ブルーム)」(以下 BLOOM)の根幹となる機能として、今後BLOOMの様々なプロダクトと連携します。グループ社員の創造性を拡張し、新たなサービスやビジネス創造の支援、マーケティング・コミュニケーション業務のさらなる高度化と効率化を目指していきます。

◆開発の背景
AI の活用が一段と進む中で、博報堂DYグループは「Human-Centered AI」を掲げ、人間中心のAI活用とAI による人間の創造性の拡張を目指しており、グループ社員の根幹にある生活者発想をAIによってより深めるための「生活者発想プラットフォーム」の開発を行っています。この生活者発想プラットフォームにとって重要なのが長年蓄積してきた独自の生活者データです。この独自データをもとにAIで生成したバーチャル生活者との対話を通して、社員がより深く多様な洞察を得ることを可能にします。

◆プロダクト概要
バーチャル生活者は2024年3月にプロトタイプを発表して以来、さまざまな改良や実証実験を行いながら、より「実態に近い生活者」の生成や支援される発想の質を上げるための開発を行ってきました。今回開発した"エビデンスベースド"「バーチャル生活者」は、性別や年齢といった属性だけでなく、趣味・嗜好などの意識データのほか、利用しているウェブサイトなどの実行動に関するものも含む博報堂DYグループ独自の20万件の大規模調査パネル、Queridaパネル(※)のデータで作成できます。
※ Queridaパネル:博報堂が年に一度、20万IDを対象に実施する大規模調査をもとにしたデータ。デモグラフィック情報のほか、生活にまつわる質問、メディアの接触や商品の購買についての質問を設定しています。また、インターネット上の行動データとも紐づけ可能で、閲覧行動から興味関心についても知ることができます。

そのため、より実際の市場での在り方に近いリアルな生活者を再現でき、取り組む業務やマーケティング課題にあわせたバーチャル生活者を選ぶことができます。利用者は自らのアイデアや疑問をもとに、バーチャル生活者との質の高い対話を通して、新たな問いやヒントを得ることができます。
本プロダクトは、博報堂DYグループすべての社員が社内システムを通じていつでも利用することが可能です。そのため、コンセプト開発やクリエイティブ開発、メディアプラニングなどあらゆる提案で、バーチャル生活者を活用することができます。

◆主な機能
バーチャル生活者と常時対話できる共創型のUI
データに基づいたターゲット分析によって得たペルソナ情報をそのまま入力すると、AIによってわずか数クリックでバーチャル生活者を生成できます。専門的なプロンプト文は不要で、短時間で複数の生成ができます。
バーチャル生活者は一度に複数設定して、チャット形式のUIで同時に会話することができます。1つの問いに対して賛成や反対などにとどまらない様々な角度からの意見を得ることができ、社員の創造性を刺激することが可能です。
また、画像や動画を提示してバーチャル生活者に意見を求めることもできるため、コミュニケーション施策に対してより具体的な評価を事前に得られます。これまで以上にターゲットを正確に捉えた提案が可能になります。

博報堂DYグループの生活者発想法の組み込み
バーチャル生活者との対話の中で、博報堂DYグループが長年培ってきた生活者の深層心理やインサイトを洞察するための生活者発想法を利用することができます。対話を通して生活者の心を動かす価値や思考プロセスに気づくことができ、マーケティング・コミュニケーション戦略立案や商品コンセプト開発、コミュニケーション施策開発の支援に貢献します。

◆今後の展望
CREATIVITY ENGINE BLOOMの根幹の機能として、BLOOMの各プロダクトとの連携を深め、これまで以上に生活者の心理を捉えたマーケティング、プラニングの実現に貢献します。また、博報堂DYグループの保有する生活者DATAPLATFORMで準備している様々なデータによって作成されたプロファイル結果も順次連携、搭載していきます。
BLOOMには今後もAIを活用した機能の拡充を予定しており、博報堂DYグループの横断的な AI 推進プロジェクト(HCAI Initiative)の一環として、当社の AI スペシャリストや各領域のプロフェッショナルチームが開発に携わりながら、博報堂DYグループのマーケティング基盤をAIとともに生活者の心を動かすアイデアを生み出す場へと拡張、テクノロジーによって生活者の暮らしや、得意先・媒体社のビジネスを一段と支援してまいります。

◆参考)CREATIVITY ENGINE BLOOMとは
2024年6月4日、博報堂DYホールディングスは統合マーケティングプラットフォーム「CREATIVITY ENGINE BLOOM」の開発を発表しました。「CREATIVITY ENGINE BLOOM」は、メディアビジネスやデジタルマーケティングなどのマーケティング領域での活用はもちろん、クリエイティブ制作、販促・CRMなどコマース、流通領域までをワンストップで統合・管理できる統合マーケティングプラットフォームです。博報堂DYグループが保有する生活者DATA PLATFORMをベースにAI技術を活用することで、利用者のクリエイティビティを拡張し、新しいコミュニケーションサービスやビジネス創造を支援します。まずは当社グループ社員での利用を開始し、スピーディーに高度な統合マーケティングサービスの効率化と高度化を実現することでマーケティングビジネスのOM率向上、売上総利益率の成長に貢献します。

「CREATIVITY ENGINE BLOOM」は以下で構成されています。

STRATEGY BLOOM:マーケティング戦略の策定を支援するモジュールで、生活者データとクライアント企業のデータを統合し、AI技術を用いて市場構造の可視化やターゲット設定、KPI策定の業務効率化を行います。
MEDIA BLOOM:AaaSと連携し、KPI達成のためのメディア効果を最大化するモジュール。テレビとデジタルを組み合わせたメディア最適化やアロケーションを効率的に策定します。
CREATIVE BLOOM:クリエイティブ制作を支援するモジュールで、AIを活用してクリエイティブの評価、自動生成を行い、業務の効率化と高度化を実現します。
COMMERCE BLOOM:購買データとECプラットフォームと連携し、リアル、ECを統合したマーケティング戦略立案を支援します。
ENGAGEMENT BLOOM:顧客との良質な関係性を構築するモジュールで、大手SFAやMAツールと生活者 DATA PLATFORMを連携し、顧客のLTV向上やOne to Oneマーケティングサービスを提供します。
「生活者 DATA PLATFORM」:博報堂DYグループの独自データと外部データを一元管理し、BLOOMの各プロダクトで利用可能な基盤として整備します。

<CREATIVITY ENGINE BLOOMの強み>
マーケティング業務の統合・デファクトスタンダード化
STRATEGY、MEDIA、CREATIVE各業務を一元管理し、業務プロセスを統合・標準化することで、労働生産性を向上させます。
生成AI機能を用いた業務の効率化と高度化
生活者発想で培ったマーケティング業務のノウハウを生成AIにインストールし、生活者のより深い洞察を支援することで、ターゲットプロファイルやコンセプト、クリエイティブアイデアなどのクリエイティブワーク業務において生成AIと人間が協調するサービスを提供し、社員の創造性を高めます。

統合マーケティング効果の可視化
生活者DATAPLATFORMデータを活用し、統計技術やAI技術(Human-Centered AI 機能)を駆使して統合マーケティング効果を測定可能な独自指標を提供します。また指標を向上させるための戦略策定や施策開発を支援するマーケティングインテリジェンス機能も提供し、得意先の事業成長へ貢献します。

本件に関するお問い合わせ

■株式会社博報堂DYホールディングス グループ広報・IR室 倉品・塚田
koho.mail@hakuhodo.co.jp
■株式会社博報堂テクノロジーズ 広報担当
hr-koho@hakuhodo-technologies.co.jp

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