AIポリシー
博報堂DYグループ AIポリシー
博報堂DYグループは、「生活者、企業、社会。それぞれの内なる想いを解き放ち、時代をひらく力にする。Aspirations Unleashed」というグローバルパーパスを掲げています。生活者の「アスピレーション=内なる想い」を解き放ち、自分らしく生きていくという世界の実現において、AIは非常に大きな可能性を秘めています。
私たちは、生活者をAIの技術開発および活用の中心に置いて考え、AIを活用しクリエイティビティを拡張させた新たなマーケティングで、パートナー企業の商品・サービスの革新を通して生活者の暮らしを豊かにする、その橋渡し役として貢献していくと同時に、大きな可能性を秘めたAIの健全な発展にも貢献し、イノベーションを通じた社会貢献にも取り組んで行きます。
一方で、AIは開発や使用の方法を誤ると生活者や社会に対して負の影響を与えうることも認識しています。私たちは、生活者の刻々と変化する課題を解決し、新たな価値を創造していくことにより、生活者と企業、社会の内なる想いを解き放ち、その幸せをつなげ、ともに広げていくため、以下の考え方に基づいて責任あるAIの技術開発と利用を行っていきます。
1.生活者中心の原則・社会への貢献
私たちは、生活者の権利や自由な意思決定を不当に侵害することなく、あくまで生活者の利便性向上、機会や可能性の拡大、そして社会の持続的な発展に貢献できるように真摯に取り組みます。生活者と企業、社会の内なる想いを解き放ち、新しい価値を創造するためにAIを利用します。
また、AIを活用することで、生活者個人だけでなく、生活者同士、生活者と企業、企業同士が有機的につながり、新しい価値を生み出し、新しいニーズ、新しい産業、新しい暮らしを実現していくことに貢献します。
AIは偽情報の生成を容易にするというリスクもあります。このリスクを十分に認識し、偽情報によって生活者に不安や混乱を招くことを防ぐため、情報の信頼性を確保するための技術開発についても真摯に取り組んでいきます。
生活者の暮らしを豊かにするための技術開発と技術の適切な利用を進めてきた博報堂DYグループだからこそ、AIの活用に際しても生活者を中心とした社会全体への貢献を思想として掲げ、AIの開発・利用に伴うCO2排出の削減など地球環境への影響についても配慮しながらAIの技術開発と利用を進めていきます。
2.生活者の可能性を拡張
私たちは、クリエイティビティとテクノロジーを駆使し、生活者の可能性を拡張させることで、生活者一人一人がもつ想いを解放して活き活きと生活できる社会づくりを目指します。「生活者発想」の考え方の下、多様化した社会の中で主体性を持って生きる「生活者」に対して新たな価値を提供することを目指しています。AIを単なる効率化のためだけに使用するのではなく、「生活者」のクリエイティビティを高め、幸せや豊かさ、活力を生み出すことに繋げ、生活者に新たな価値を提供するために活用していきます。AIを活用することで、生活者の可能性やクリエイティビティ、想いを解き放つことを目指します。
3.安全性の追求
私たちは、AIは生活者の想いの実現と幸せのために利用されるべきものであり、生活者の安全性を脅かすものであってはならないと考えています。AIの利用に伴うリスク分析を適切に実施し、リスクへの対策を講じるとともに、万が一安全性を損なうような事態が発生した場合には、速やかに対処を行います。AIの性質・用途、制御など安全性を確保するために必要な情報については、生活者、クライアント、メディアなどステークホルダーに提供するように努めます。また、AIの開発には可能な限り正確かつ最新のデータを用いるよう努めます。
4.公平性・公正性の追求
私たちは、いかに経済環境が厳しくとも、利益よりも社会的な公平性・公正性を重視します。AIの利用においても、人種、国籍、性別、年齢、思想、信条、嗜好性などに関わらず、全ての生活者とその多様性を尊重し、AIの利用によって人権侵害、不当な差別が起こらないよう公平性・公正性を追求し続けます。私たちは、人間の属性に関連する意図しないバイアスの軽減を図り、公平性と公正性を担保した、責任ある誠実なAIの開発を目指します。
5.透明性・説明責任
私たちは、AIによる判断や成果物の根拠については、技術的な制約上、さらには悪用防止などの社会的観点からも、そのすべてを明らかにすることは困難であることを認識しています。しかしながら、可能な限り高い透明性を保つために検証可能性の確保にも留意をしつつ、クライアントやメディアなどステークホルダーと伴走しながら長期的な関係を築くパートナー主義と、博報堂DYグループの原点である生活者発想に基づき、適切な情報提供を実施できるよう努めます。
6.知的財産保護
私たちは、AIの利用によって著作権や商標権など知的財産権侵害がないように適切な措置を講じ、クライアント、メディアおよびクリエイターの権利を尊重します。AIが生み出した成果物を識別できる方法や技術の導入など、クライアント、メディアおよびクリエイターの権利を守りつつ、生活者が理解しやすい仕組みの構築を目指します。
7.プライバシー保護・機密情報保護
私たちは、AIの開発・利用において必要となる生活者のデータに対して、法令、倫理に従い、博報堂DYグループ各社におけるプライバシーポリシー、社内規程に則り、適切に個人情報とプライバシーの保護に取り組みます。また、クライアントおよびパートナー企業からお預かりした機密情報についても同様に適切に管理・運用を行い、機密情報漏洩が無いように取り組みます。
8.適切な利用・人間による判断の介在
私たちは、AIが自動的に意思決定をしたり、生活者の考えや嗜好を誘導または誤認させることで、生活者に不利益が及ぶことがないよう、AIの判断や成果物を鵜吞みにせず、人間による判断を介在させることで責任を負うようにするとともに、人間によるコントロールを可能な限り担保するように努めます。
9.AI人材の育成・リテラシーの向上
私たちは、AIの恩恵を誰もが最大限享受できる社会を実現するため、AIの開発、利用の双方において、博報堂DYグループの従業員に対してスキル・リテラシーを高めるための教育、育成に積極的に取り組みます。これを通じて、AIの持つ正負の両面を認識し、イノベーションを通じた生活者の幸せにつながるAI開発・利用を行います。また、必要に応じてステークホルダーに対しても、リテラシー確保のための取組を行います。
10.セキュリティの確保
私たちは、AIを活用したサービスを安心して利用できるよう、適時適切にリスクの評価を行い、リスクに応じたセキュリティ対策を行います。万が一、予期せぬ事態が発生した際には、適切に対処するように努めます。
11.公正競争の確保
私たちは、AI を活用した新たなビジネス・サービスが創出され、持続的な経済成長の維持と社会課題の解決策の提示がなされるよう、AI をめぐる公正な競争環境、取引環境の維持に努めます。
12.イノベーションの推進
私たちは、自社における研究開発に加え産学官連携など外部連携によるイノベーションを加速させ、生活者に対して新たな価値の提供に取り組んでいます。AI分野においても同様に、外部連携、相互接続性・相互運用性の確保などによるイノベーションの推進に取り組んでいきます。